第45回通常総会議案
平成22年度 事業計画

平成21年中の全国の交通事故死者数は、昭和27年以来、57年ぶりに5千人を切って、4,914人となりました。これで、対前年比での交通事故死者数減少達成の連続記録は9年目と成り、5年連続の交通事故発生件数および交通事故負傷者数の減少記録とあいまって、わが国の交通事故防止活動の成果は、全世界が注目し、高く評価するところとなっています。このような大記録達成の一翼を我が業界も担って来たことについては、今更申し上げるまでもありませんが、今後は、新たに設けられた、「平成30年を目途に、交通事故死者数を2,500人以下とし、世界一安全な道路交通の実現を目指す」との政府目標に向けて、官民挙げての更なる努力を尽くして参らなければなりません。
さて、当協会及び会員各位を取り巻く経営環境につきましては、昨年の総選挙により民主党を中心とする連合政権が誕生するという大変革がありましたが、新しい首相が好んで口にする「コンクリートからひとへ」というキャッチフレーズを引くまでも無く、公共事業抑制の政策については、一段と強化され、道路特定財源の廃止も実施に移されるなど、ますます厳しさが増す一方であります。新政権の打ち出した緊急経済対策が功を奏するにせよ、それなりの時間を要するであろうことを考慮すると、本年度の事業計画は自ずから慎重なものとせざるを得ません。また、昨年掲げた事業計画項目についても、諸般の事情から、未実施又は十分な成果を得ていないものも残されております。
そこで、本年度の事業計画案は、基本的に昨年のそれを踏襲したものといたしました。特に三大目標について付言いたして置きます。まず、第一の維持管理マニュアルの活用でありますが、大量更新時代を闘うための、「第三番目の武器」として、あらたに「規制標識専用維持管理マニュアル(仮称・案)」を追加制作し、より一層、道路交通の現場において利用しやすいマニュアルとして、その普及を目指します。
第2の目標、人材育成のための「標識施行技能者(仮称)」制度の立ち上げについては、その前提としての当業界の実態調査結果の取り纏め中であり、本年は、次の手続きに移行し、引き続き実現を期して、関係先と粘り強よく交渉を進めてまいります。
第3の目標である「新法人制度への対応」でありますが、公益認定等委員会の発表を見ましても、民法特例法人からの新法人への移行は極端に遅れている状況にあります。今回の政権交代も、申請の出足を挫いている一因であることは明らかです。当協会も昨年は、移行準備委員会の下にワーキング・グループを設け検討して参りましたが、支部や都道府県協会の扱いなどの、慎重な調整が問題となり、まだ、基本的な方針を打ち出す段階に至っておりません。本年度は、新たなスケジュールを作成し、それに即した移行準備作業を推進いたします。

 

1.全標協「短期ビジョン」〜再生から新生へ〜に基づく協会運営
 平成19年に改定した、全標協「短期ビジョン」に基づく協会運営については本事業計画全体を貫く大黒柱として、本年度もこれを踏襲し、昨年度に手がけた多くの事業について、その完遂を目指すこととする。

2.各種委員会の充実・強化

(1) 総務委員会

@ 総務委員会の充実
○ア.会費の見直し等財政の効率化と組織改革の検討
 平成11年7月の臨時総会で議決された本会会費規則を見直し、会員の置かれた経営環境を考慮した、より公平な会費負担となるような会費制度の構築と、新たな協会財政の運営に努める。また、重構造の組織改革については継続して取り組む。(継)

A 新法人制度移行準備委員会の充実
 平成20年12月1日に新しい公益法人制度が施行された。平成20年4月に総務委員会の中に本委員会を立ち上げ移行への準備を進めてきた。本委員会では移行に伴い下記事項を推進する。(継)
  ○ア.移行法人(一般社団法人、公益社団法人)の選択(継)
  ○イ.定款改正の準備(継)
  ○ウ.移行計画の策定(継)

(2) 広報・教育委員会

@ 協会機関誌「トラフィックサポーター」を刊行し、広報活動の積極的展開を図る。(継)
A ホームページを活用して交通安全施設に対する道路利用者等の意見の収集に努める。(継)
B 国際交流の推進
 外国の交通安全施設の管理者や製造メーカー等との意見交換など、今後も積極的な国際交流に努める。(継)

(3) 道路標識委員会

@ 「道路標識維持管理マニュアル(案)」の展開
 平成20年10月に作成した道路標識の建て替え基準である「道路標識維持管理マニュアル(案)」が活用できるように、道路管理者等に積極的な働きかけを行う。(継)
A 標識等のリサイクル技術の研究、開発
 地球環境の保護や省資源・リサイクルは世界的かつ緊急の課題である。本会として、まずは路側式標識のリサイクルから、研究、開発に着手する。(継)
B 都道府県別標識等ストックの調査
 交通安全施設は、整備の時代から保守管理の時代に入ったといわれるが、補修・立替・塗替え等の基礎的データーとして、ストックの全国規模での把握を行う。(継)
C 標識の基礎に関する研究(基部のメンテナンス・都市型基礎)
 都市部における標識の基礎部分のメンテナンスに対する調査研究を行う。(継)
D規制標識専用維持管理マニュアル(仮称・案)の作成展開
 警察庁との合同又はその指導の下に、規制標識専用維持管理マニュアル(仮称・案)を作成し、これを活用できるように、交通管理者に対し積極的な働きかけを行う。(新)

(4) 路面標示委員会

@ 路面標示ハンドブック改訂版の出版
  路面標示ハンドブック改訂版の出版を目指してワーキング・グループを立ち上げる。(新)
A 「路面標示の塗り替えに関する判断」の展開
 平成20年度の道路関係予算の主要施策においても、自転車走行環境の整備事業が推進されることが決定した。既存道路における自転車走行空間確保の手段として、カラー塗装(舗装)が多用されることは必至である。その標準モデルの構築に着手する。(新)
B 路面標示の塗り替え調査手法の検討。(継)
  路面標示材協会との密接な連携。(継)
Cカラー塗装(舗装)に関する調査研究と「子どもを守ろうプロジェクト」の推進
   道路関係予算の主要施策として、自転車走行環境の整備事業が推進される。特に既存道路における自転車走行空間確保の手段として、カラー塗装(舗装)が多用されることは必至である。その標準モデルの構築について調査研究する。(継)
併せて、愛知県協会の提言に始まった「子どもを守ろうプロジェクト」活動の全国的展開に向けてその推進を図る。(継)

(5) 環境・防護柵等委員会

@ 作業安全ポケットブックの展開。
  平成20年7月に作成した「作業安全ポケットブック」が会員企業で活用されるよう積極的に働きかけを展開する。(継)
A 職長安全衛生責任者等の育成。(継)
B鋼製防護柵協会との密接な連携。(継)

3.道路標識設置管理士制度の育成

(1) 標識設置技能者制度の立ち上げ
道路標識設置管理士制度は、既に649名が認定されているが、官公庁はもちろん、世間一般にその存在を認知されるような人員を養成するには、まだかなりの歳月を要する状況にある。そこで、より軽易な資格の保持者を、大量かつ短期間に認定する制度(標識設置技能者制度)の立ち上げを継続する。彼らが標識設置管理士とともに多くの標識設置現場で活動することにより、当協会所属会員の有する技術力の高さの認識向上にとって、大きな相乗効果が期待される。(継)

(2) 道路標識設置管理士の育成推進
 道路標識設置管理士の育成推進を図るとともに、専門業種として関係機関へ周知するなど、その普及に努める。(継)

(3) 道路標識設置管理士制度の広報
 道路標識設置管理士制度を道路管理者、都道府県公安委員会に広く周知するために、パンフレット等を作成し広報に努める。(継)

4.路面標示施工技能士制度の活用等

(1) 路面標示施工技能士の育成を図ることによって、技術・経営体系を充実・強化し、都道府県公安委員会、道路管理者等でこの制度が十分活用されるようその普及に努める。(継)
(2) 路面標示施工技能検定への協力等
 各都道府県職業能力開発協会の行う路面標示施工技能検定に協力するとともに、資格の取得を奨励し、その増強に努める。(継)
(3) 路面標示施工技能士制度をPRするために、4月、10月を広報月間として実施する。(継)

5.研修会、講習会等の開催等

(1) 新しい自転車安全対策の研究
 安全で快適な歩行者空間・自転車利用環境等を確保するため、自転車走行空間等の整備が推進されるのに伴い、自転車の安全対策について研究を行う。(継)
(2) 1級土木施工管理技士試験準備講習
 1級土木施工管理技士の資格受験のため、職業訓練法人全国建設産業教育訓練協会富士教育訓練センターの協力を得て、試験準備講習を実施する。(継)
(3) 危機管理の啓発を推進する
 危機管理に対する取組み及び意識向上に向けての啓発活動を推進する。(継)

6.行政機関、関係団体との連携

(1) 中央官庁に対する要望活動の展開
 中央官庁に対し交通安全施設等の施工に伴う問題点等の要望活動を積極的に実施する。(継)
(2) 交通安全施設等整備長期計画への協力
 行政機関が交通安全施設等整備事業長期計画等により推進する安全・快適な交通環境実現のための施策推進に参加協力する。(継)
(3) 受託事業等の適正な対応
 自主的調査研究活動との均衡を図りながら、受託事業を適正に推進する。(継)
(4) 交通安全対策に関する研究
 特に、交通事故危険箇所対策、自転車走行空間確保対策等を推進する。(継)
(5) 交通安全対策特別交付金事業の広報活動の強化
 交通安全対策特別交付金事業について、さらに理解が深まるよう広報活動を強化する。(継)
(6) 財団法人交通事故総合分析センターとの協力を図る。(継)
(7) 社団法人建設産業専門団体連合会との協力を図る。(継)

7.国、地方公共団体等の行事への協力

(1) 労働安全運動への協力
 厚生労働省等が主催する労働安全運動等に積極的に参加協力する(継)
(2) 全国交通安全運動への協力
 内閣府等各省庁主催の春・秋の全国交通安全運動に積極的に協賛参加する。(継)
(3) 道路ふれあい月間等への協力
 「道路ふれあい月間(8月)」、「道の日(8月10日)」に協賛参加する。(継)

8.市場単価調査への協力
建設物価調査会、経済調査会が実施する市場単価調査について、実態に対応した適正な市場価格が反映されるよう調査に協力する。(継)

9.その他

(1) 功労者の推薦
 当業界に対し顕著な功労のある者について、叙勲又は表彰の推薦に努める。(継)
(2) 従業員に対する福利厚生の強化
 従業員に対する福利厚生を図るため、保険制度の充実を図るほか、勤労者財形貯蓄、厚生年金基金等について、その実施加入を引き続き推進する。(継)
(3) 請負業者賠償責任保険団体割引制度の普及
 当協会で推進している「請負業者賠償責任保険団体割引制度」への加入促進活動に努める。(継)
(4) 従業員災害団体包括補償制度の普及
 当協会で推進している「従業員災害団体包括補償制度」への加入促進活動に努める。(継)

以 上